第4回 マリア スクウォドフスカ キュリー賞 授賞式
05.06.2025
2025年6月5日、駐日ポーランド共和国大使館において「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)」授賞式が開催されました。本賞は駐日ポーランド共和国大使館の発意により国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)との協働で2021年に創設されました。今後、国際的に多大な価値と可能性の見込まれる研究に携わる、傑出した日本の若手女性研究者を表彰することを趣旨としています。同時に、ポーランド出身であり、二度ノーベル賞を受賞したマリア・スクウォドフスカ=キュリーの功績を伝え、日本の女性研究者の国際的な研究を推進しています。第4回を迎えた授賞式は、今年も高円宮妃殿下が名誉総裁を務められました。更に、ポーランド共和国科学・高等教育大臣および日本の文部科学省の後援を受け、国立研究開発法人科学技術振興機構、文部科学省、外務省をはじめ、日本およびポーランドの科学および文化界から60名以上の来賓が出席されました。受賞者インタビューならびに式典の模様はNHKはじめ大手テレビ局、新聞各社に報道されました。
パヴェウ・ミレフスキ大使は、冒頭のご挨拶において科学研究分野における日本・ポーランド協力の推進に本賞が果たしている役割、また理系の女性研究者にインスピレーションを与える存在としてのマリア・スクウォドフスカ=キュリーについて述べました。続いて、名誉総裁として表彰委員会を代表し、高円宮妃殿下よりお言葉を賜りました。更に橋本和仁 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)理事長、日比谷潤子 選考委員長、栗原権右衛門 日本電子株式会社(JEOL)相談役が其々ご挨拶されました。マレック・コナジェフスキ ポーランド科学アカデミー会長からのビデオメッセージの後、授賞式が執り行われました。受賞者は下記の三名の方々です。
〈最優秀賞〉
藤代 有絵子 氏 ― 理化学研究所
創発物性科学研究センター/同 開拓研究所
極限量子固体物性理研ECL研究ユニット理研ECL研究ユニットリーダー
専門分野:物性物理学
〈奨励賞〉
鄭 麗嘉 氏 ― スタンフォード大学
医学部 遺伝子学科 博士研究員
専門分野:分子生物学
〈奨励賞〉
吉本 愛梨 氏 ― スタンフォード大学
生物学科 日本学術振興会 海外特別研究員
専門分野:神経科学
最優秀賞受賞者は例年同様ポーランド科学アカデミーの招聘によりポーランド研修旅行に参加いただき、第一線で活躍するポーランドの研究者と交流していただく予定です。賞金は電子顕微鏡や半導体関連装置などの製品を提供する世界トップレベルの理科学機器メーカーである日本電子株式会社(JEOL)にご協賛いただきました。
今年の授賞式はポーランド政府観光局の協力により、ポーランドの食文化プロモーションを兼ねて開催されました。式典に続く小宴では ミシュランガイド掲載店含むポーランドの有名レストランから来日した5人のシェフたちが腕を振るったポーランド料理が提供され、お土産にポーランドの観光パンフレットなどが用意されました。