広島 長崎への原爆投下80年
06.08.2025
80年前の8月、人類は原子力爆弾の脅威を目の当たりにしました。被爆後の広島、長崎の甚大な被害、そして被爆した市民たちの叫び「ネバー・アゲイン(原爆を許すまじ)」は、平和、核軍縮・非拡散運動となって世界を席巻しました。80年後再び深い対立と地政学的な緊張の時代となった今、また自らの体験を語る継ぐことのできる被爆者の方々が数少なくなってきている現在、私たち一人ひとりが、二度と繰り返してはならないという決意を新たにしなければなりません。
国際的な核軍縮・非拡散、軍備管理は、台頭する圧力下にあります。核軍縮・非拡散の確固たる支持者として、私たちは世界が大量破壊兵器の脅威にさらされないよう、日本をはじめとする同志国とともに弛まぬ努力を続けています。
ロシアは数年間にわたり、現在もウクライナに対する不法な侵略戦争を続けており、露骨な核の脅しを繰り返しています。これは、広島、長崎の厳粛な遺産に真っ向から対立するばかりか、国連憲章に反し、国際的な責任と義務を事実上放棄しています。
昨年11月、ロシアは核兵器使用に関する新しい基本原則を発表し、核の「先制不使用」宣言を破棄しました。これは、モスクワが核攻撃の脅威にさらされていなくとも、非核保有国に対して核兵器を使用する可能性があることを意味します。ロシアは中東欧全域を脅すため、ベラルーシに戦術核ミサイルを配備しています。さらにロシアはウクライナのザポリージャ原子力発電所を、安全性の悪化にも関わらず、政治的な影響力を行使するために占拠し続けています。
朝鮮民主主義人民共和国による核の脅威、またロシアとの協力がその核ミサイル開発計画に与える影響も深刻です。
こうした核の扱いは、記念式典において発信される、軍縮、平和への誓いとは全く相いれません。私たちは世界平和の希求、努力の一環として、侵略戦争に立ち向かうウクライナに対し揺るぎない支援を行う覚悟であり、状況が続く限り続ける覚悟です。
世界が広島、長崎の原子爆弾による犠牲者を追悼するこの日、私たちは政治の取引材料として核の脅しが定着することを断固拒否しなければなりません。平和への約束を新たにすることは、私たちの前に生まれてきた人々、そして、これから生まれてくる人々に対する私たちの責任に他なりません。